株式会社ユーディージャパン

人材教育・出版・ユニバーサル環境の推進

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「地域活性化とスポーツとユニバーサルイベント」 
(クリエイティブイベント 2003年4月号)

 昨年の師走に入った日曜日、福島県広域スポーツセンターで、「うつくしま2002総合型地域スポーツクラブ交流イベント」が行われました。イベントの目的は、県内の総合型地域スポーツクラブ交流の場を提供することにより、会員相互の親睦を図るとともにクラブ活動のいっそうの充実を図る、ということ。「ノーマライゼーションと総合型地域スポーツクラブ」というタイトルで筆者が講演した後、ユニバーサルスポーツとして活用できるスピードボールの競技会が行われました。

総合型地域スポーツクラブの推進

 現在、15の広域市町村圏で「広域スポーツセンター」が立ち上がり、「総合型地域スポーツクラブ」の推進に力を注いでいます。
 文部科学省(当時の文部省)は1995年度から、「総合型地域スポーツクラブ育成モデル事業」を始めました。総合型地域スポーツクラブとは、地域において子どもから高齢者、障がいのある人たちなどさまざまなスポーツを愛好する人たちが参加できる地域スポーツクラブのことです。
 さらに文部科学省は2000年9月にスポーツ振興基本計画を発表し、その序文で、「スポーツは、体を動かすという人間の本源的な欲求にこたえるとともに、爽快感、達成感、他者との連帯感等の精神的充足や楽しさ、喜びをもたらし、さらには、体力の向上や、精神的なストレスの発散、生活習慣病の予防など、心身の両面にわたる健康の保持増進に資するものである。特に、高齢化の急激な進展や、生活が便利になること等による体を動かす機会の減少が予想される21世紀の社会において、生涯にわたりスポーツに親しむことができる豊かな『スポーツライフ』を送ることは大きな意義がある。」と謳っています。そして、総合型地域スポーツクラブを中学校区程度、すなわち全国1万カ所程度に設置すること、そのための地域スポーツクラブを総合的に支援する広域スポーツセンターを広域市町村圏を単位として全国300カ所程度つくることを目標としています。

ユニバーサルイベントの振興を図る

 こうした計画の推進には、日本の少子高齢社会への急速な進展が背景にあります。年金や介護保険の財源の問題、生産年齢人口の減少の問題等、国の活力をどう維持していくかという極めて大きな課題を私たちは抱えています。かつてのように元気で若い人中心にさまざまな施策を考えていたのでは、国の活力は生まれません。
 1995年に国はノーマライゼーション7か年戦略を掲げ、社会のあらゆる場面で、高齢者や女性、障がいのある人たちが元気で若い人と同様、社会参加でき、その資源や制度を活用できることが当然であるとしてさまざまな法律や制度を施行してきました。男女共同参画社会基本法や交通バリアフリー法などもそのひとつといえます。
 イベントに携わる私たちも、そうした時代背景を考えて、高齢者や障がいのある人、子どもをもつ家族などが特別対応ではなくみんな一緒に楽しめるイベントを考えていこうと、NPOユニバーサルイベント協会を立ち上げました。

ユニバーサルイベントを必要とする社会的・時代的な背景

 地域はいま少子化と高齢化という課題を抱えたまま、その活性化に苦心しています。ジャパンエキスポも終わり、大型イベントによる地域の活性化から、さらに地域の実情に根ざした活性化策が模索されています。国の施策に連動しながら、誰もが活き活きと参加できるイベントによって、地域コミュニティの充実と活性化をめざすために、ユニバーサルイベントは大きな役割を果たせるのではないかと考えています。
 その活動のひとつとして、昨年「ユニバーサルスポーツ・コーディネーター養成講座」を開講し、総合型地域スポーツクラブに必要なノーマライゼーションの考え方を基本にもって、そこに参加した誰もが一緒に楽しめるスポーツをコーディネートできる人材を育成し、スポーツを核とした地域活性化を図り、あわせてユニバーサルイベントの振興を図っていきたいと活動を進めています。

ユニバーサルスポーツの基本的考え方

ユニバーサルスポーツの基本的考え方

ユニバーサルスポーツ・コーディネーター養成講座のページへ

たとえば運動会のパン食い競走、遊びのハンカチ落とし、鬼ごっこもすべてスポーツの範囲に入りそうです。では、犬の散歩、森林浴をしながらのウォーキング、家族での海水浴はどうでしょうか。目的を持って体を動かす、それは大きな意味でスポーツといえます。競技性の高いものから、記録への挑戦、心身の鍛錬、健康の維持、さまざまな人との出会いと協調、ユニバーサルスポーツの範囲をこのように捉えています。

ユニバーサルイベントの背景と全体構想

 これからの社会にとって忘れてはならない視点を筆者は「ユニバーサル環境」と名づけて、ユニバーサルイベントの基本的視点と考えています。
 地域イベントに限らず、あらゆるイベントがユニバーサルイベントの視点をもつ必要があると同時に、新たなイベントの活性化にユニバーサルイベントは役立つのではないかと考えています。そして、ユニバーサルイベントの全体構想を右図のように捉え、人権や環境に配慮したイベントのあり方を研究し、いま、そのガイドラインづくりが進行しています。