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「ノーマライゼーションの推進は先進諸国では常識」 (月刊総務の連載 2003年1月号)
「出生率1.24に低下」と見出しに。エッ、まさか! よく読むと、日本大学人口研究所が推計した2017年の合計特殊出生率のことだった。政府の出している推計1.38より0.14下回っている。(日本経済新聞2002年10月29日)
2001年の合計特殊出生率は1.33とこれまでの最低となった。政府はこの出生率の低下は2007年を境に上昇に転じると予測しているが、日大の予測はほぼ低下傾向を辿るとなっている。
ちなみに、人口を維持できる出生率は、2.2と言われている。1.24はそれにはるかに及ばない。
少子高齢社会と日本の生産力
国立社会保障・人口問題研究所が1997年に推計した資料に、高齢者の年金を何人の生産年齢人口で賄うかというデータがある。65歳以上の老年人口を20歳〜64歳の総人口で賄うとすると、2000年では3.6人、2015年では2.7人となっている。すなわち、2.7人で1人の高齢者の年金を払わなくてはならないという計算になる。
しかもこの数字は、20歳〜64歳の総人口で計算されている。いま年金を納めていない多くの学生や夫が払えばすむ3号被保険者の主婦の数も含まれているのである。さらに現在は年金を64歳まで支払ってはいない。実際にはこれよりはるかに厳しい数字になるはずだ。厚生年金の保険料が月収の20%以上になってしまうのではないだろうか。
将来の社会を担ってくれる子どもたちはなかなか増えず、老年人口は急激に増えている。日本の少子高齢社会の課題が、私たちの日々の生活を直撃する日がもうすぐそこまで来ている。高度成長時代を担ってきた団塊の世代が定年になる日まであと5年、高齢者といわれる日まであと10年である。
先のデータでは70歳以上の老年人口を20歳〜69歳で賄うという計算もされている。つまり、年金を払うのは69歳までで、もらえるのは70歳からという計算である。なぜこうした数字が出されているのか。年金が大きな問題であるのは確かだが、もうひとつ、日本の生産力の問題もあるのではないだろうか。
法律の施行が語る現実
それを裏づけるように、1999年には男女雇用機会均等法が改正され、男女共同参画社会基本法が施行された。女性もしっかり働いて国の生産力を担い、年金も払ってちょうだい、ということである。
2000年には交通バリアフリー法も施行され、年をとって多少足腰が弱っても、また、歩けない人や見えない人、聞こえない人でも1人でどこにでも行き仕事をしたり活動できるように、交通機関をバリアフリーにすることが義務づけられたのである。
ノーマライゼーションの推進が業績につながる
国は、今までのように元気で若い人中心の社会から、年をとっても障がいがあっても、人種や男女の別なく、誰もが仕事をしたり社会活動ができるように社会システムを変革していこうとしている。 ノーマライゼーションの推進である。これは人権の問題として、先進諸国では当然の常識になっていることだ。
今後は、女性や高齢者、障がいのある人など様々な特性のある人がともに働く職場こそ、発想も豊かになり社会のニーズを先取りした商品やサービスを提供できる、生産性の高い企業になるのではないだろうか。




