株式会社ユーディージャパン

人材教育・出版・ユニバーサル環境の推進

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「ジェンダーフリーの視点見た商品開発」(月刊総務の連載 2003年7月号)

 「ガチャ!」 突然の暗闇、
 「えー、また落ちたの! どうして一度にできないの!!」
 一気に家事を始めると、いつものことながらブレーカーが落ちてすべての家電製品が休業してしまうのです。
 炊飯器のスイッチを入れて、その間に洗濯機を回し、掃除機もかけてしまおう、お湯も沸かさなければ、などと夕方の多忙な時間を効率よく使って動き回ると、50アンペアの電気容量は足りません。まして夏はクーラーも大きく電力を使います。少なくとも100アンペアはほしい!
 働く女性の痛切な願いではないでしょうか。

 タマネギのみじん切りに挽肉、牛乳に浸したパンをちぎってを混ぜ合わせながら、「あ、卵を出すの忘れた」と気がつく、両手はべちょべちょ。手を洗って冷蔵庫を開ける、「なんで足で開られる冷蔵庫がないんだろう!」 ドジな私は仕事と子育てに追われていたころ、ハンバーグを作りながらいつも不満でした。
 こうした日常の不便さを商品開発者と共有できたら、もっと生活者に喜ばれる家電製品や住宅・マンションができるのではないかとつくづくと思いました。
 時を経て、ユニバーサルデザインがものづくりや空間づくりに当たり前のこととなりつつあります。しかし、バリアフリーやユニバーサルデザインと作り手が名付けている住宅や様々な商品が、本当に使いやすいかといえば「きっとこうだろう」という作り手の思いこみが多くあるように感じます。
 核家族と少子高齢社会が進む現在の家庭では、仕事も育児も家事も夫婦で楽しく行える空間が求められています。家庭で家族揃って過ごす時間が少なくなっていることを考えると、せっかく家族が揃っているのに1人で家事に専念するのはさみしい話ではないでしょうか。
 また、たった17年間(1998〜2015年)で1300万人以上の高齢者(65歳以上)が増加するという推計があります。1300万人という数字は東京都の人口より多いのです。世界に類を見ないスピードで超高齢社会に突入する日本の現状は、熟年離婚の増加でも話題を呼んでいます。
 「やっと子育てが終わって自分の時間ができたと思ったら、今度は夫が毎日家にいて・・このままでは私は何のために生きているのか・・」と自立を宣言する妻が多いようです。

 前号でも述べたように、キッチンの隅にある家事室ではなく、その家庭の中心で、団欒しながら家族の誰もが一緒に楽にアイロンかけたり食事を作ったり片づけたりできるようなリビングや製品を設計してほしいと願います。
 形だけでなく、使い手がどんなどんな状態でその商品を使うのか、そのときの気持ちにまで思いをはせられる開発を願ってやみません。