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「なぜ、子どもを産まないの?」(月刊総務の連載 2003年10月号)
「結婚してるのにどうして子どもを産まないの?」 「日本は少子化が進んでいるのに、少なくとも二人は産まないと……」。
あるプロジェクト終了のお疲れさま会でクライアントのリーダーから質問攻めに遭ったと、友人がぼやいていました。
こうした質問がセクシュアルハラスメント(ジェンダーハラスメント)になるということをご存じですか?
産む産まないの決定権は女性にある
1994年にエジプトのカイロで開催された国際人口開発会議で可決された「リプロダクティブ・ヘルス・ライツ(性と生殖に関する健康と権利)」では、子どもを産むか産まないかを決定するのは産む性である女性の権利である、ということが認められました。
さらに、翌1995年に北京で開催された第4回世界女性会議の行動綱領(国連北京宣言)には「女性の権利は人権である」として、「男性と女性が家族で平等の権利を持ち、機会や資源を平等に利用でき、責任を平等に分かち持つ、男女間の協調したパートナーシップは、個人や家族の福祉、また民主主義の確立にとって基本的に重要なことである」とし、さらに「すべての女性が健康のあらゆる面をコントロールする権利、とくに生殖に関する権利を明白に承認し、再確認することは女性のエンパワーメントの基礎である」と明記されています。
簡単にいえば、この会議ではジェンダーフリーの視点と、女性のエンパワーメントが宣言されたといえます。これら結果も一因となって、日本では国連の採択より15年も遅れて1995年「ILO156号条約(男性も家事・育児に参加する権利がある)」が批准され、労働時間が週40時間になり、育児介護休業法が男女に認められ、1999年には男女雇用機会均等法が改正され、男女共同参画社会基本法が成立したのです。
こうした法律の施行のもう一つの要因として、日本の急速な少子高齢社会への社会構造の変化があると思います、すでに破綻しているといわれている年金制度一つ取ってみても、女性や高齢者の納税者を増やすことは必須のこととなっています。
ジェンダーフリーには価値観の転換が必要
社会の構造は大きく、急速に変化しています。女性の役割は「結婚して子供を産み、育て、夫を支え、家事などをして家を守る」というかつての固定的役割から解放されて、結婚するしないの自由、結婚しても家に縛られるのではなく、夫とともに価値観を共有し、子どもを持つ持たないも自由に選択できる社会になっています。
育児や介護は社会的責任として社会が担うという考えのもと、介護保険や育児休業などの制度が生まれたのです。
「なぜ結婚しないの」「なぜ子どもを作らないの」などの質問は、男女を問わず相手が望まない限り聞かないようにしましょう。その一言で深く傷つく人がいることもあるという、ジェンダーに敏感な視点を培ってください。子どもはすべての女性が産めるわけではないし、産めるとしても産みたくない理由があるのです。産みたくない理由の多くは社会構造にある場合が多いのが現状でもあるのです。




